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新型コロナ関連

コロナワクチンと公明党/党ワクチン・治療薬開発推進PT 秋野公造事務局長に聞く

2021年2月14日付

秋野カット

 新型コロナウイルス感染の収束のカギを握るワクチンについて、厚生労働省は米ファイザー社製をきょう14日に正式承認し、医療従事者向けの先行接種が17日に始まる予定です。ワクチン接種にこぎ着けるまでには、確保などに奔走する公明党の取り組みがありました。党コロナ感染症ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチーム(PT、座長=高木美智代衆院議員)事務局長で、医師の秋野公造参院議員に聞きました。

■(海外開発品の確保)「予備費活用」の答弁を引き出し、滞っていた交渉の前進を後押し

 ――海外開発品の確保に向けた取り組みは。

 日本は米ファイザー、英アストラゼネカ、米モデルナの3社から計3億1400万回(1億5700万人)分の供給を受ける予定です。

 現在までに国民全員分を確保する契約が実現した大きな契機となったのは、昨年7月16日の参院予算委員会での公明党の質問です。ワクチン確保の予算措置を政府に強く求め、当時の稲津久厚労副大臣(公明党)が政府として初めて「予備費の活用」も含めて対応すると表明しました。

政府が契約する3社

 以降、遅れていた政府と海外製薬メーカーの交渉が一気に加速し、政府は同31日にファイザー、8月7日にアストラゼネカと基本合意に達し、その後、モデルナも含む3社との契約に至りました。

 ――局面を変える質問になったわけですね。

 はい。公明党が昨年5月、各党に先駆けてワクチンと治療薬の開発・実用化に特化したPTを立ち上げ、関係者への聞き取りを繰り返す中で浮かび上がってきたのは、政府が国内開発ワクチンの支援に偏るあまり、海外ワクチン確保の交渉が著しく滞っている状況でした。

 交渉停滞の最大の理由は、政府が海外ワクチンの確保に予備費を活用するという意思決定を行っていなかったことで、厚労省が財源確保の見通しもなく本格的な交渉に入れないでいたことでした。そこで、稲津副大臣らと連携して政府への働き掛けを重ね、予備費活用の答弁につながったのです。

 ある海外製薬メーカー日本法人の役員は「政府との交渉が全く進まなかったが、公明党の質問の直後から厚労省の対応がガラッと変わった」と語っていました。

 ――海外ワクチンの承認が欧米諸国と比べて遅いのは。

 有効性や安全性に配慮した結果、時間がかかっています。日本は外国のように緊急使用を認めることはありません。ワクチンの効果に人種差が想定されるため、日本人を対象とした一定の治験を必要としていることが理由に挙げられます。海外に遅れても安全性を重視しているのです。

■(供給の安定化)“争奪戦”により輸入が停滞する事態も見据え国内での生産体制推進

 ――先月末、日本に供給されるアストラゼネカ製1億2000万回(6000万人)分のうち、9000万回(4500万人)分は国内での生産との発表がありましたが。

 欧州連合(EU)がワクチンの域外輸出を規制するなど、各国による“ワクチン争奪戦”が激化していますが、公明党はこうした状況を早くから想定し、海外ワクチンの安定供給に向け、国内生産を視野に入れた取り組みを政府に働き掛けていました。アストラゼネカ製の国内生産が実現する背景には、公明党の先手を打つ取り組みがありました。

 ――党PTは、アストラゼネカの日本法人と昨年7月17日に意見交換していますね。

 実は昨年前半の段階で、同社が世界で20億回分を供給すると約束していたものの、米英欧や低中所得国などへの確約分の合計がそれを上回る見通しだったのです。ならば、国内で製造するしかありません。同社も党PTとの意見交換で“日本にワクチン原液が来ない可能性があることから、日本国内で生産する用意がある”と踏み込みました。

 これも踏まえ、公明党は昨年7月20日、ワクチン原液の輸入のみならず、国内での製造も選択肢に入れて取り組みを進めることなどを政府に提言。海外ワクチンの国内生産の体制構築に向け、財政面も含めた支援を政府に働き掛け、実現したのです。これを受け、国内メーカーがアストラゼネカからの委託を受けて生産する運びになったのです。

国際枠組みのイメージ

■(国際協力をリード)政府を説得し、世界に先駆けCOVAXへの参加決定、拠出の増額も
 ――国際協力に関しては。

 公明党は、途上国が取り残されないようにするための国際的枠組み「COVAXファシリティー」に日本が参加するよう、山口那津男代表を先頭に政府へ繰り返し働き掛けました。その結果、昨年9月、日本政府は先進国でいち早く参加を表明。多くの国が続く流れが生まれ、国際協力の輪は190カ国・地域に広がっています。

 同枠組みを主導する国際団体「Gaviワクチンアライアンス」のセス・バークレーCEO(最高経営責任者)は公明党に送った書簡の中で、「日本は最初に署名し、他の国にも参加を促してくれた」「日本のような国が率先して参加することは、裕福な国々がワクチンを独り占めする弊害を防ぎ、低所得国の人々が取り残されてしまう悲劇を防ぐことができると考えている」と強調し、「正式参加に当たっては公明党から多大なお力添えをいただいた」と謝意を示しています。

 ――COVAX参加に慎重論があったそうですね。

 拠出金が必要になることから政府内には慎重な意見もありましたが、公明党の訴えで政府は参加を決断しました。今では、COVAXへの協力を積極的にアピールしており、今月9日の国際会議で茂木敏充外相は拠出を増額し、合計で2億ドル(200億円超)を拠出すると表明しました。

 今回の背景には、これまでの公明党の息の長い取り組みがありました。先進国に比べ、日本の公的に接種するワクチンの種類が少ない「ワクチンギャップ」を埋めるため、公明党が高齢者肺炎球菌ワクチンなどの定期接種化を国内で実現してきたことは、Gaviからも高く評価されています。さらに、「人間の安全保障」を外交の柱に押し上げ、ワクチンを通じた途上国支援を政府に強く促してきたことを通じ、Gaviなど関係団体と信頼関係を深めていたのです。こうした経緯から公明党がCOVAXへの日本参加をリードしたのです。

■(安全な接種へ)健康被害の救済制度をいち早く訴え実現。副反応の報告強化も進める
 ――新しいワクチンだけに安全性の確保や副反応への対応が重要になりますね。

 海外での実際の接種では、重い副反応などはごくまれで、安全性に重大な懸念がないことが報告されています。しかし昨年の春から夏の段階では安全性の情報が乏しい状況でした。そうした中でも海外ワクチンの確保を進めなければ、接種開始が大幅に遅れかねない現実がありました。

 公明党は、新しい製造法による海外ワクチンの確保に取り組む以上、健康被害が出た場合の対応に万全を期す必要があると考え、昨年7月16日の参院予算委員会で国が責任を持った救済制度の創設を主張。稲津副大臣は、どのような被害救済を行うかしっかり検討する旨の方針を表明しました。これは海外メーカーにも安心感を与え、交渉進展への後押しになったようです。

 接種後に健康被害が生じた場合、医療費や障害年金などの給付を受けられます。

 ――大規模な接種ですが。

 副反応などの情報を迅速に集めて対応する重要性を専門家から聞いていたことから、公明党は国会で何度も体制強化の必要性を訴えました。その結果、政府は先行的に接種を受けた人の健康状態を調査するとともに、副反応の評価を行う審議会を高頻度で開いたり、報告を受けるシステムを電子化するなど、副反応に迅速に対応する体制の強化を進めています。

 日本が供給を受ける予定の3種のワクチンは高い有効性が報告されていますが、副反応のリスクはゼロにはなりません。一人一人が納得し判断できるよう、情報提供の強化も図ります。