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新型コロナ関連

コロナ拡大防止、今が正念場/国立国際医療研究センター 忽那賢志医師に聞く

2020年11月15日付

 新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されています。現在の感染状況や治療に関する最新の動向、本格的な冬への備えなどについて、コロナ治療の最前線に立つ国立国際医療研究センターの忽那賢志医師に聞きました。

国立国際医療研究センター・忽那賢志医師
国立国際医療研究センター・忽那賢志医師

■検査・治療体制整い重症化リスクは低下

■現状どう見る

 7月にピークを迎えた感染拡大の第2波が、じゅうぶん弱まりきらない中、直近の約2週間は再び増加傾向に転じ、第2波のピークも上回りました。

 特に、北海道や大阪府、兵庫県などは1日当たりの感染確認が過去最多を記録しています。1日で400人に迫る感染者増となっている東京都も心配です。

 第3波とみられる再拡大に歯止めをかけられるのか、今が正念場です。

■医療現場の実感

 重症者数を見ると、第2波は第1波に比べ減少し、感染被害を抑え込めたというのが現場の実感です。

 要因の一つは検査体制の拡充です。軽症段階で感染者を早期発見できるようになりました。もう一つは、効果的な治療法をほぼ確立したことです。中等症以上には、ウイルスの増殖を抑える薬「レムデシビル」と過剰な炎症を抑える薬「デキサメタゾン」などを併用しています。

■ワクチンは今後

 政府は来年前半までに国民全員分のワクチンの確保をめざしています。このうち米製薬大手ファイザーとは、ワクチン開発が成功した場合、来年6月末までに6000万人分の供給で基本合意しています。

 同社が9日に発表した、開発中のワクチンについて「90%を超える予防効果がある」との暫定結果は、好意的に受け止めたいですが、不明な点も多く、慎重な評価が必要です。

■後遺症の種類

 後遺症とみられる症状で頻度が高いのは、強いだるさ(倦怠感)、息切れ、胸の痛み、脱毛などです。

 私の病院の場合、発症から2カ月たっても約2割、4カ月後で1割弱の患者が慢性症状に悩まされています。また、半数を超す患者に三つ以上の症状が認められたとの報告もあります。

 現時点で、後遺症が出る人と出ない人の違いや、後遺症を防ぐ方法はまだ見つかっていません。

■再感染は

 新型コロナが厄介なのは、1度かかって回復したからといって、2度目はかかりづらいと断言できない点にあります。

 一般に、感染症は経験すると体内に抗体ができ、その後は感染しづらくなります。しかし、海外の研究結果によると、コロナの抗体は、重症度にかかわらず、発症から数カ月後には減少し始め、抗体を持続する期間が他の感染症と比べ、極端に短くなっています。

■警戒したい気の緩み/「5つの場面」注意を

■冬に備えて

 感染が広がりやすいのは気温や湿度が低い環境といわれます。コロナとの長期間の闘いで気の緩みが出る頃ですが、本格的な冬に備え、警戒が必要です。

 基本の対策は、①屋内でのマスク着用②3密(密閉・密集・密接)を避ける③丁寧な手洗い――など従来通りです。「会食も旅行も全てダメ」では息も詰まるでしょう。社会経済活動も大切です。メリハリのある行動を心掛けてください。

■外出時の注意点

 外出時の注意点として参考になるのは、政府の分科会が提言した「5つの場面」【イラスト参照】です。

 飲酒を伴う懇親会などは、これまでの知見から感染リスクが高いことが分かっています。

 家庭内での感染が増えているのは、マスクを長時間着け続けるなどの対策が難しいからです。だからこそウイルスを家庭内に持ち込まないことが何よりの予防策となります。

 感染リスクが高まる「5つの場面」
感染リスクが高まる「5つの場面」

■インフル予防

 コロナ対策の実践がインフルエンザの予防にも有効です。その上で、インフルワクチンの接種をお勧めします。外来診療でのコロナ感染のリスクは低いです。また、接種によって免疫が活性化し、インフル以外の感染症への抵抗力が増す可能性もあります。

 インフルとコロナが同時流行すれば、医療現場は大きな負担を強いられます。インフル予防は医療崩壊を防ぐことにもなります。

くつな・さとし 1978年生まれ。山口大学医学部卒。感染症専門医。奈良県立医科大学付属病院、市立奈良病院などでの勤務を経て、2018年より国立国際医療研究センター国際感染症対策室医長。