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新型コロナ関連

(コロナ禍)年末年始、どう過ごすか/3密、高リスク場面は回避/国立国際医療研究センター 大曲貴夫国際感染症センター長に聞く

2020年12月24日付

新型コロナの感染拡大が続く中で、年末年始を迎える。コロナから自身や家族を守り、穏やかな年越しとするためにも、どう過ごせばよいのか。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長にオンラインで聞いた。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫国際感染症センター長
国立国際医療研究センター 大曲貴夫国際感染症センター長

――治療にも当たる専門家として、年末年始に向けて訴えたいことは。

全国的に見ても、新規感染者の増加に歯止めがかかっていない。高齢者の感染者が多く、重症化したり亡くなる人が増えている。医療現場は、救急患者の受け入れができなくなる病院があるなどコロナ以外の医療への影響も出ており、かなり厳しい状況だ。

■いま一度、個人が対策の徹底を

このまま推移すれば、医療提供体制が手薄になる年末年始にかけて、患者が急増する事態も強く懸念される。感染してから発症するまでの潜伏期間は、1日から12・5日(多くは5日から6日)とされている。一人一人がいま一度、感染防止に徹底して取り組むことで、年末年始の患者急増を回避し、社会全体として穏やかな年越しができるようになると確信している。

――どう過ごしていけばいいのか。

密集、密接、密閉の3密といった感染リスクの高い場面を避けることに尽きる。政府も具体的に「5つの場面」【図参照】を示している。例えば、換気の悪い場所でマスクを外したまま長時間、近距離で会話すると、その中に一人でも感染者がいると周囲の人にうつってしまう。今は、それほどリスクが高い時であり、感染を抑えなければならない時であると強く自覚してほしい。

感染リスクが高まる5つの場面
感染リスクが高まる5つの場面

帰省や旅行などを考えている人もいると思うが、移動した先で出現する、さまざまな感染リスクの高い場面に根本的な問題がある。そうしたリスクをどう回避するか、十分に考えて慎重に行動してもらいたい。

今回の感染拡大では、自宅内感染や施設内感染が多い。いずれも、活動性の高い人がどこかで感染して持ち込んだことが発端だ。持ち込むのは、若い人だけでなく高齢者も目立っている。感染リスクの回避は、全ての世代の人が意識すべき課題だと認識しなければならない。

■インフル・風邪とは違う怖い病気

――今年春に行ったような強い措置は必要か。

緊急事態とされる状況を招かないよう、どうしていくかを考えるべきだ。コロナとの長丁場の戦いを考えると、きつい社会的な対策をずっとやるわけにはいかない。社会のダメージを最小限にするには持続可能な対策を講じるしかなく、個人レベルの対策を根付かせるしかない。

コロナの患者の治療に当たる医師として、怖い病気だと実感している。風邪や季節性インフルエンザと大きく違わないとは決して思えない。実際に患者が増えると医療だけでなく、社会経済活動も立ち行かなくなりかねないことは、諸外国の実例でも明らかだ。そうした事態を止められるのは結局、個人レベルの対策の徹底だ。そのことを多くの国が気付き始めていることを知ってもらいたい。