冬に向け検査体制は
2020年11月24日付PCRなど1日20万件、簡易キット含め54万件(厚労省見込み)
新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念される冬に向けて、各都道府県では身近な医療機関で検査・受診できる新しい体制への移行が進められています。それに伴い、より多くの人が検査を受けられる体制の整備も行われています。
厚生労働省は12日、新型コロナとインフルの流行ピーク時を想定した検査体制を公表しました。全国での検査需要は1日約46万件で、検体採取能力は同50万件。検査(分析)能力は同54万件の確保を見込んでいます。
検査能力は、比較的精度の高いPCR検査と抗原定量検査で合計20万件、簡易キットを用いる抗原定性検査34万件を加えて54万件になります。全都道府県で需要以上の検査能力を確保できる見通しです。
国立感染症研究所などがまとめた新型コロナの病原体検査の指針によると、PCR検査と抗原定量検査は、症状がある人に加えて無症状者への検査にも活用できるとされています。
一方、抗原定性検査は、無症状者への検査には推奨されておらず、現状では発症2~9日目の有症状者の確定診断に用いられています。
現時点では、PCR検査が最も信頼性が高く、抗原定量検査も実用的とされています。抗原定性検査は、他の検査に比べてウイルスの検出感度が低いものの簡易キットで実施でき、その場で迅速に結果を得られます。
なお抗体検査は、過去にかかったことがあるかを調べるもので、同感染症の診断のためには使用できません。
