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新型コロナ関連

急拡大するコロナ変異株/大阪市立大学 掛屋弘教授にインタビュー

2021年4月20日付

 猛威を振るう新型コロナウイルスの変異株。その特徴や必要な対策について、大阪市立大学医学研究科の掛屋弘教授に聞いた。

大阪市立大学 掛屋弘教授
大阪市立大学 掛屋弘教授

■発症→重症化の期間短い

 ――変異株の感染力について。

 変異株とは、ウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」という突起の変異を指す。英国株や南アフリカ株、ブラジル株などがあり、従来型と比べて感染力が高まって急速に拡大することや、ワクチンが効きにくくなる恐れがある【表参照】。

 主な新型コロナウイルスの変異株
主な新型コロナウイルスの変異株

 大阪府の情報では、冬場の第3波と現在を比較すると、第4波では発症から重症化するまでの期間が7日程度と従来より1日短くなっている。変異株の陽性者だけ見ると、さらに1日早くなり、重症化スピードの早さが懸念される。

■子ども含め、若い世代の感染目立つ

 ――若者や子どもへの感染力については。

 現在、大阪では、大学生をはじめ、若い世代に感染者が増えている実態がある。10代の占める割合は、第3波では全体の7%前後だったが、現在は10%を超え、変異株に限ると14%になる。

 変異株は、10歳未満で感染割合が他の年齢層に比べて高く、若年者にかかりやすい傾向が危惧される。従来の傾向では、若い人の感染が増えると、次は高齢者でも増えてくる。高齢者の感染は命の危機に直結しかねず、家庭内感染や高齢者施設でのクラスター(感染者集団)発生に警戒が必要だ。

■予防策は変わらず飲食でのリスク低減不可欠

 ――一人一人が注意すべき点や、求められる対策は。

 個人の基本的な感染予防策は変わらない。3密回避やマスクの着用、手洗い・うがいなどだ。マスクを外す飲食の場面で感染が多いのが事実であり、そのリスクを下げる工夫は欠かせない。

 ――変異株とワクチンの効果との関係は。

 一部の基礎研究では、新型コロナワクチンで得られた抗体の効力が低下する可能性も示唆されているが、検証はまだ十分でない。

 いずれにしても、ワクチンが変異株の出現で全く効果がなくなることは考えにくく、ワクチンは個人を守ってくれる有効な手段の一つであることは間違いない。また、多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる集団免疫を獲得でき、収束へと向かうことが期待できる。私自身も2回接種したが、ワクチンの特徴を理解し、接種を検討することを強く勧めたい。

 ――今後の展望は。

 大阪では現在、従来の株から英国株にほとんど置き換わっており、東京でも5月前半にはそうなる見込みで、注意が必要だ。