×

新型コロナ関連

(緊急事態宣言下 大型連休の過ごし方)不要不急の外出控えて/国立国際医療研究センター医療感染症対策室 忽那賢志医長に聞く

2021年5月1日付
忽那賢志医長
忽那賢志医長

■感染力強い変異株に警戒

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に緊急事態宣言が発令される中、大型連休を迎えた。この連休で、一人一人が感染を防ぐために心掛けるべきことは何か。また、どう日々を過ごしたら良いか。国立国際医療研究センターの忽那賢志・国際感染症対策室医長に聞いた。

――東京や大阪などに緊急事態宣言が発令された中で大型連休を迎えた。

忽那賢志医長 今回の緊急事態宣言の発令は、変異株の急拡大で危機的な状況にある大阪や、今後、大阪と同じ状況になりかねない東京で、本来なら人との接触が増える大型連休中の移動を抑えることが目的だ。

私たち一人一人が心掛けるべき感染防止対策は、大きく変わらないが、それを続けるためのモチベーションを保つことが重要だ。初めて緊急事態宣言が発令されて1年が経過したにもかかわらず、「また緊急事態宣言を出すのか」と、うんざりする人もいるかもしれない。ただ、今、私たちが闘っているウイルスは、これまでの新型コロナウイルスとは違う「強毒化したウイルス」という認識を持ち、気持ちを切り替えて感染対策を徹底してほしい。

■重症化リスク、若者でも高い

――これまでのウイルスとの違いとは。

忽那 従来のウイルスよりも感染力が強く、若い世代で基礎疾患がなくても重症化のリスクが高い英国由来の変異株だ。この変異株に感染した人の割合は、確実に増えている。感染を防ぐには、人の流れを徹底して抑えなくてはならない。

――大型連休は、どう過ごしたら良いか。

忽那 食料品の買い物など生活に必要なこと以外の外出は控えることが望ましい。大阪は年度末から年度初めにかけて歓送迎会や花見など交流する場が増えたことが感染拡大につながった。

今回の緊急事態宣言について「デパートまで休業要請の対象にする必要があるのか」との意見があるが、デパートで感染が広がるわけではなく、その帰りに店で飲食することが感染リスクを高めてしまう。こうした間接的対策も必要だと思う。

■手洗い、マスク着用、3密回避の徹底も

――屋内での対策は。

忽那 変異株であっても飛沫で広がることは変わらず、特殊な対策があるわけでもない。これまで以上に警戒を強くし、▽手洗いをこまめに行う▽屋内にいるときはマスクをしっかり着ける▽「3密」(密閉・密集・密接)の環境をできる限り避ける――ことを徹底してほしい。なお、3密といっても、一つが当てはまるだけでも感染リスクは高まるので注意が必要だ。

――一般的に、ウイルスは感染していく中で弱毒化するといわれるが。

忽那 弱毒化は全てのウイルスに当てはまるわけではなく、今回のように新しいウイルスではどうなるか分からない。「今後、弱毒化していくから大丈夫だ」と思わない方が良い。

――変異株にワクチンは有効か。

忽那 英国由来の変異株に対しワクチンの有効性は低下しないといわれている。今後の感染拡大と重症者を減らすために、ワクチン接種は広げていくべきだ。

政府は、現在進められている高齢者へのワクチン接種について、7月の完了をめざす方針だ。順調に進めば、重症化する人は減少して医療が逼迫する状況が今よりも緩和していくのではないか。