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エディターズ・ノート

党首討論で露呈 野党共闘、やはり“野合”

2019年7月5日付 編集メモ

 4日に公示された参院選で、立憲民主、国民民主、共産、社民など野党5党派は、全国32ある「1人区」全てで候補を一本化し「野党共闘」の体裁を整えたように見えるが、前日3日の日本記者クラブ主催の党首討論会では、その野党間で「国民の関心が高いテーマでの足並みの乱れが露呈した形」(4日付「産経」)になった。

 例えば、年金制度について、共産のマクロ経済スライド廃止の主張に対し、野党第一党である立憲の枝野幸男代表は「新しい提案」「抜本的な議論をもう一度」などと述べるばかりで、賛否は明確にしなかった。

 また、自衛隊について、立憲は合憲、共産は違憲と根本的に異なることに関して、枝野代表は、「(共産党候補に一本化した)福井県の県民だったら共産党の候補者に1票を入れるのか」と問われても、「入れる」とも「入れない」とも態度を示さなかった。共闘相手に「1票を投じる」と堂々と明言できないようでは、「野党統一候補」というのは単なる見せかけだと映ってしまう。

 消費税に関しても、公明党の山口那津男代表が、消費税を財源に実施される幼児教育無償化や高等教育無償化の法整備に、国民は賛成、立憲と共産、社民が反対と対応が分かれたことに触れ、消費税を巡る各党の考えの違いを指摘したが、枝野代表は「消費税は当面上げられる状況にはないということで完全に一致している」と述べるばかり。今後、野党として消費税をどうしていくか、何ら示せなかった。

 結局、野党共闘なるものは「一致点を強調する戦術」(同「毎日」)にほかならないようだ。

 討論会で、安倍晋三首相は「ただ政府を倒すためだけに統一候補を立てる。これ、終わったらまたバラバラになる。『決められない政治』の再現としか言えない」と厳しく指弾した。旧民主党政権の“悪夢”を予見させるような野党の“野合”ぶりを見せつけられては、批判を受けても仕方ないだろう。(丈)