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エディターズ・ノート

共産、隠せぬ“暴力革命の可能性”

2021年9月14日付 編集メモ

 10日のTBS番組に出演した八代英輝弁護士による「志位(和夫)委員長がつい最近、『敵の出方』という言い方をやめようとは言っていたが、共産党は『暴力的な革命』を党の要綱として廃止していない」との発言について、TBSは日本共産党の抗議を受け「共産党の綱領には(暴力革命の)記載がなく、発言は誤りでした」とのコメントを出したという。

 しかし、「暴力的な革命」の方針は、党の綱領に書かれていないだけであって、現在も同党で堅持されているというのが政府も含めた一般的な認識である。6月11日に閣議決定された政府答弁書で、同党について「暴力革命の方針に変更はない」と明記している通りだ。

 共産党が1951年綱領などに基づいて「武装闘争の戦術を採用し、各地で殺人事件や騒擾(騒乱)事件などを引き起こした」(公安調査庁)ことは歴史的事実だ。その後、武装闘争戦術を自己批判したものの「革命の形態が平和的になるか非平和的になるかは敵の出方によるとする『いわゆる敵の出方論』を採用し、暴力革命の可能性を否定することなく、現在に至っている」(同)。

 これらに照らせば、八代氏の発言の趣旨に誤りはない。なのに、共産党は「許されないフェイク(うそ)だ」(10日 田村智子副委員長)などとなぜか、過剰なまでに反撃したのである。

 共産党にとっては、立憲民主党などとの野党共闘を通じた政権参画をめざしており、共産党の“暴力革命体質”を認定した政府の見解を覆し、党への警戒心を和らげることに躍起だからではないか。ゆえに、志位委員長は10日、「どんな場合でも、平和的・合法的に社会変革の事業を進めるということが、日本共産党の一貫した立場です」と強調した。

 しかし、同党の現在の綱領に引き継がれている党路線を定めた元議長の宮本顕治氏による「日本革命の展望」には、「革命への移行が平和的な手段でおこなわれるように努力するが、それが平和的となるか非平和的になるかは結局敵の出方によるということは……マルクス・レーニン主義の革命論の重要原則」と明記されている。

 だからこそ、志位氏は8日に「敵の出方論」という「表現は使わない」としたが、それ自体を廃棄するとは言わなかったのであろう。志位委員長をはじめ共産党幹部らが党の本質を隠そうと展開する口八丁手八丁の“フェイク”に、だまされてはいけない。(夫)