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エディターズ・ノート

共産党大会で浮き彫り 「野党連合政権」の非現実性

2020年1月27日付 編集メモ

 日本共産党は14~18日の党大会で、同党が参画する「野党連合政権」の2022年までの樹立をめざすとの決議を採択し、志位和夫委員長は、同政権へ「とことん力を尽くす」と“前のめり”な姿勢を示した。

 しかし、各紙は、現実性に乏しいとの見方を示している。立憲民主党や国民民主党は「野党連合政権に消極的」(19日付「読売」)で、「共産まで含めた政権を見据えているわけではない」(15日付「毎日」)。両党内には「『共産党とは国家観が違う』(国民ベテラン)と『連合政権』に懐疑的な声があり、野党共闘の深化に課題も多い」(19日付「朝日」)と。

 事実、党大会では、社会主義・共産主義のバラ色の未来を喧伝。そのための手段として、「生産手段の社会化」なるものを土台に、資本主義の「生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ」をめざすと強調した。「自衛隊解消」「日米安保条約の廃棄」という非現実的な安全保障政策も踏襲。一方で、注視されていた党改革は軽視されたようで、党内の異論・批判を封じ、軍隊的な“上意下達”の組織原則と見なされる「民主集中制」などは温存・堅持、といった具合に、革命政党としての本質的部分は何ら変わっていないことを見せつけた。

 連立政権をめざすのであれば、「国の根幹にかかわる基本政策をはじめ、幅広い施策のすりあわせは避けて通れない」(20日付「朝日」)。今回の党大会では「野党連合政権」を前面に打ち出したにもかかわらず、社会主義・共産主義をめざす特異な“国家観”や他野党と隔絶する国の安全保障政策を掲げたままだ。

 これでは、いくら志位委員長が「党の見解を政権に持ち込むことはしない」と強調しても、それは“建前”“方便”に過ぎないと受け止められてもやむを得まい。国の方向性やあり方で、他野党との“違い”が大き過ぎるのである。

 「野党共闘の最大の壁になっているのが、共産党の存在そのもの」と元共産党政策委員長の筆坂秀世氏が著書で指摘しているが、そのことが、今回の党大会で改めて、あらわになったのではないか。(丈)