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公明的ライフハック

下野六太 参院議員 流

しもの式「やればできる!」自己肯定感の高め方

2021.4.30

 今やSNSを使えば、タップ一つで世界中の人たちのリアルタイムな投稿(情報)を見られます。便利な一方で、他人と自分を無意識に比較し、自分の生活に不満を持ったり落ち込んだりする人も少なくありません。自信を持って生きるために、どんな力が必要なのか。「自己肯定感」をキーワードに、元中学校教師で教育のスペシャリストである下野六太参院議員に聞きました。

 ――1児の父親として、下野先生の話を聞くのを楽しみにしていました(笑)。教師時代、下野議員の指導で多くの生徒が苦手な体育を克服し大きく成長したと聞きました。

 実際「体育があるから学校には行きたくない」と言う生徒がいました。そんな生徒たちが苦手な運動を克服できるよう、「やればできる!」と子どもたちに励ましの言葉を送り続け、粘り強い指導を心掛けてきた結果、数メートルしか泳げなかった生徒が1000メートル泳げるようになり、マット運動の後転すらできなかった生徒がバク転の連続や後方宙返りができるようになりました。できなかったことができるようになり、自信を身につけた結果、さまざまなことに自ら挑戦するようになってくれたことが、最もうれしい最高の思い出です。

成功体験をシャワーのごとく浴びせる

 ――「やればできる!」と聞くと熱血な教師をイメージしてしまいますが、具体的にどんな指導をしていたんですか。

 生徒一人一人の学習前と学習後の動きをビデオに撮影し、「ビフォーアフタービデオ」と名付け、単元の学習の終わりに学習の成果として、その映像をみんなで見ます。「上手くなったね!」や「成長したね!」という言葉だけの精神論では自分自身の成長が真の意味で実感しにくいのです。そこで映像によって、身体の動きを視覚的に捉え、何がどのように成長したのかを深く実感させるのです。要は誰も置き去りにせず全員に達成感を味わわせることです。成功体験で得られる達成感は、子どもたちの自信を育み、自己肯定感を高めます。成功体験をシャワーのように浴びせることを常に心がけてきました。

 米中韓や欧州の国々の子どもたちと比較すると、日本の子どもたちは自己肯定感が低いと言われています。つまり、「自分には価値がない」と思い込んでいるんです。学校教育の中で、教師として、子どもたちの自己肯定感をどれだけ高めてあげられるかが勝負でした。しかし、新米教師の時は、失敗の連続、何をやってもうまくいきませんでした。現状の指導方法に満足せず、「もっといい指導法はないか」「もっと子どもの心に響く声掛けを」と毎日のように試行錯誤を繰り返していました。

自信は人生の困難を乗り越えるエネルギー

 ――私が実践するには難しいと思っていましたが、家庭でも自己肯定感を高める方法はいくつも考えられそうです。

 その通りです。子どもに達成感を味わわせるものは、鉄棒、サッカー、バスケなど何でもかまいません。運動でなくても構わないと思います。とにかく「やればできる!」という体験を一つでも多く増やしていくことです。それがそのまま達成感に変わります。達成感を感じることが多ければ多いほど、大きな自信につながり、大きな自信は自立へのエネルギー源へと変わります。

 ――まさに、達成感から自信、そして自立へとつながる最強の方程式ですね。

 人生には困難がつきものです。しかし自己肯定感が高ければ、失敗も前向きに捉えて「今回の失敗の原因は○○だ。次はこのようにして頑張れば絶対に克服できる」と自分を信じて努力の歩みを止めないでしょう。自己肯定感が高いから自分を信じることができ、夢や目標に向かって努力することによって自分自身を磨き続けることができるのです。社会に出た時に困らなくていいように、子どもの時から成功体験をいかに多く積み重ねてあげられるかどうかが何よりも大切です。

親だからこそできる非日常体験

 ――ほかにも具体的な取り組みがあれば教えて下さい。

 私の場合、当時、小学生の息子と自転車旅をすることが毎年夏の恒例行事でした。最初は福岡の自宅から45km先まで、次の年は長崎まで、広島にも行ったことがあります。

 ――そんな遠くまで。小学生でその距離は本当にすごいですね。

 そう。その反応です。同じように、息子は子どもながら周りの大人たちに「すごいね」と賞賛され、うれしくてたまらなかったそうです。もちろん、私から周りに「息子を褒めてくれ」なんて一言も言っていません。しかし、自転車で長距離を旅したという事実が広まり、結果として親以外の大人からもお世辞ではなく褒められたことで、子どもは達成感を味わうことができたのです。今でも息子から感謝されますし、「近い将来親になった時に自分の子どもにも達成感を味わわせたい」と言ってくれています。

 もっと身近なことでもいいでしょう。例えば、公園で子どもとサッカーのドリブル練習をするとします。コーンを等間隔に立てて、その間を何秒でドリブルできるか時間を計ってあげる。それを2回、3回とやらせて、その度に改善点を指摘してもいいですが、子どもたちはどうすれば上達するかを自分で見つけることができますので、子どもなりの工夫を評価してあげる方が価値があります。練習を繰り返す度にどんどん時間が短くなっていけば、子どもは自信をつけるようになっていきます。ドリブルしている様子を「ビフォーアフタービデオ」のようにスマホで動画撮影してあげれば効果も倍増です。

 ――どんな場所でも自己肯定感を高める環境は整っているということですね。

 子どもの可能性は無限大です。ぜひ、わが子の中に眠っている「やればできる!」という自発的な心を引っ張りだしてあげてください。100人いれば100通りの育て方があります。運動が苦手な方は運動以外でも何でも構いません。ご自身が得意なことで子どもに達成感を味わわせてあげてください。まだまだ語り尽くせていません。私も皆さんのお力になりたいと思っていますので、気軽にご相談ください。

【略歴】1964年生まれ。福岡県内の中学校で体育教師を歴任。独自の指導法が話題を呼び、テレビでも紹介されている。参院議員1期(福岡選挙区)。党教育改革推進本部事務局次長。島根大学教育学部卒、福岡教育大学大学院修了。

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