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ムビむび太の映画でよのなか語るだけ

いいね!しよう みんなの隠された魅力

SNS社会
2021.4.16

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7つのSNSアカウントを持つ謎の後輩

 「Twitterのアカウントは7つ持ってます」――

 と、職場にいる後輩から言われました。普段、無口でどんなことを考えているか分からなかったので、正直、驚きました。

 その後輩をここではナナ子ちゃん(7つのアカウントを持っているから)と呼ぶことにしましょう。
 
 ナナ子ちゃんには、周りに公言していないアイドルやアニメの趣味がありました。いつも僕が見ていたメインアカウントの他に、趣味ごとに分けているアカウントが4つ、友人や同僚に知られたくない発言をする時には、さらに2つのアカウントを使用しているそうです。
 
 特別に少しだけアカウントをのぞかせてもらうと、ナナ子ちゃんは普段と違いハツラツと好きなものを好きなように語るツイートをたくさん投稿していました。
 
 「今どき別のアカウントを持つのは当たり前ですよ」と、まるで僕が時代遅れかのように笑われました。本来ならば、先輩として叱咤してやりたい気持ちでしたが、ホッとしたのが事実です。それは、ミステリアスな印象が強かったナナ子ちゃんが、Twitter上で自分の好きなことを自由に吐き出していることに人間らしさを感じたからです。
 
 そんなSNSにおける人間の多面性をテーマにしたサスペンス映画『search/サーチ』をご存知でしょうか。

【search/サーチ】 16歳の女子高生マーゴットが失踪してしまい、行方不明事件として捜査が開始される。しかし、なぜ行方不明になったのか理由も分からぬまま、ただ時間だけが過ぎていく。父親のデビッドは、マーゴットが使用していたTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSにアクセスを試みる。そこにはいつも明るくて活発だったはずの娘とは別人の、デビッドの知らないマーゴットの姿が映し出されていた…。(2018年公開)

SNSはうまく使えば自分の好きな世界を深めることができるツール

 SNSによって見せる顔が変わるマーゴットに対して、デビッドも僕も「この子は何か裏で悪いことをしているのかもしれない」という勝手なレッテルを貼ってしまいました。しかし、本作『search/サーチ』はそんな憶測を良い意味で裏切ってくれる気持ちいい映画です。

 SNSにはマイナスなイメージを抱く人が多いかもしれません。映画の中では、えたいの知れない人間と不用意にネット上で繋がることの危険性も描いています。

 しかし、SNSはうまく使えば自分の好きな世界を深めることのできる、よきツールになります。

 みなさん、普段の生活で相手によって見せる顔を変えることはないですか?

 例えば私の場合、家で機嫌の悪い母親が、かかってきた電話には声色を変えて、明るく対応することがありました。

 友人、同僚、家族、恋人…僕たちはそれぞれに見せる顔があります。

 そういう意味では、現実社会よりも自由に自分らしさを出せる世界がSNSです。

 SNSは基本的に自分が好きで興味のあるアカウントだけをフォローし、同じ趣味趣向の人と繋がることができます。好きなことを好きなだけ深められる場所なのです。

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人間には1つの視点では分からない色んな魅力がある

 本作品の監督であるアニーシュ・チャガンティ氏はインタビューの中で「実際、ネット上では秘密を持つ人が多いし、相手によって公開する内容を変えることもある」、「ネット上での個人データは断片的だ。(中略) “隠された情報こそ真の姿を表す”というが、まさにその言葉を象徴する映画だね」と語っています。
 
 SNSの1つのアカウントからは、その人の1つの面しか分かりません。これはリアルな日常も同じことが言えます。

 僕たちは他人を同じような視点で見てしまうことがあります。しかし、ナナ子ちゃんが7つのアカウントを持っているように、人にはたくさんの隠された魅力があると思いました。

 他人を断片的な印象で判断するのではなく、多角的に見ることが大事だと、この映画は教えてくれます。

 でも!相手を知るためと言って、あの父親のように他人のSNSにハッキングするのはダメですよ!

ムビむび太

映画ライター

映像制作会社を経て、テレビ番組やYoutubeで映画紹介に携わる。年間の映画観賞本数は400本以上。

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