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未来へつなぐ“100年トロッコ”

群馬、栃木
わたらせ渓谷鉄道
2020年11月23日付

 ピイーッ、ピイーッ。静寂な山里に汽笛が響き渡る。群馬県桐生市と栃木県日光市の山間部44・1キロを結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」(本社・群馬県みどり市)。窓ガラスのないトロッコ列車の車内に、秋風が心地よく通り抜けていく。車窓から外をのぞくと、岩と渓流が織り成す渡良瀬川の絶景。色鮮やかな紅葉が、しばしコロナ禍を忘れさせてくれる。

 1911年、足尾銅山で産出された銅を輸送するために敷設されたのが鉄道の始まり。閉山後も乗客を運ぶ路線として存続。一部、明治時代のトンネルや駅舎が100年後の「今も現役で使われている」と聞いて驚く。

 「この鉄道と景色は地域の人たちによって、守られてきた財産」と、同鉄道の品川知一社長。幾多の人々の思いが、今のレールにつながっている。豊かな自然と共に、山里の暮らしも未来へとつなぎたい。

写真=写真部・大久保尭央、江田聖弘、千葉正人
文=社会部・三島光一

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