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コメデジ・トーク

(はつらつトーク2021)現場主義から希望あふれる未来開く

「公明新聞」2021年4月24日付

 新型コロナ禍により、レジャーを取り巻く状況が大きく変わりつつあります。人気のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(大阪市此花区、以下「USJ」)を運営する「合同会社ユー・エス・ジェイ」執行役員副社長の村山卓氏と、公明党の国重とおる衆院議員(次期衆院選予定候補=大阪5区)が観光産業の現状と展望、さらには社会貢献や地域活性化などについて大いに語り合いました。

■業界ガイドラインけん引(村山)
■支援強めコロナ感染防ぐ(国重)

 国重とおる衆院議員 USJが大人気です。私は地元で活動する議員として、とても誇らしく、頼もしく感じています。村山副社長はUSJの国内における責任者として活躍されています。

 村山卓副社長 多くのお客さまに支えられ、USJは今年、開業20周年を迎えました。3月には新型コロナの感染予防に万全を期した上で、新エリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」をオープンさせました。

USJに3月オープンした新エリア
USJに3月オープンした新エリア

 国重 コロナ禍で観光産業は打撃を受け、転換を迫られています。そんな折、感染拡大の防止に向けた業種別のガイドライン制定に当たり、USJがテーマパークや遊園地の関連企業の中で主導的な役割を果たしたと聞いています。

 村山 業界の各企業や団体と共に感染予防のガイドラインの制定に参画しました。以前から大阪市の保健所と協議を重ねてきましたので、そこで蓄積したノウハウをテーマパークの感染対策に取り入れました。

 国重 先ほどテーマパーク内を見せていただきました。至る所に消毒液が備えられ、人と人との間隔をとるための足形マークも多くありました。食堂内や入退場ゲートでの人数の分散にも配慮されていました。

 村山 策定された業界別ガイドラインに準拠したUSJ独自の対策として、徹底した衛生強化対策や入場者数のコントロールなどを実施しています。

 国重 先進的な取り組みに敬意を表します。国内の観光産業従事者は約900万人、働いている人の6・3人に1人の割合です。地域経済を担う観光事業者を支えるには、何よりも感染拡大の防止が最重要課題であることは言うまでもありません。公明党は引き続き感染防止に全力を挙げていきます。

 村山 テーマパークは人々に元気や夢を提供する場所です。断じてテーマパークから感染を拡大させてはいけません。保健行政機関や医療専門家のアドバイスを受け、お客さまと従業員の健康と安全の確保を最優先に運営していきます。

■市場ニーズ理解、成功生む(村山)
■“生”の声が政治に不可欠(国重)

 国重 USJには大阪・関西にとどまらず海外からも来場者が押し寄せ、今や日本の観光産業をリードする存在です。最初から成功を確信していましたか。

 村山 2001年の開業当初は順調でした。しかし、いつもいい時ばかりではありません。最大の理由はお客さま、市場の動向に合ったテーマパークになっていなかったことです。リサーチが足りず、市場のニーズが理解できていませんでした。

 国重 USJは新エリアや新キャラクターを相次ぎ投入し、テーマパーク界での地位を着実に高めてきました。それは、そのときどきの苦労を経てのことだったのですね。

 村山 あくまでもマーケティング・リサーチをベースにテーマパークを運営するようにしました。12年に日本の子どもや女性が好むキャラクターを集めた新エリアを、さらに14年には「ハリーポッター」のエリアを開きました。これにより関西や西日本中心の集客が全国、海外へも広がりました。

 国重 今のお話の通り、「人の感情にフォーカスする」ことは政治においても極めて大事です。議員活動は「現場に行き、声を聴く」ことから始まります。例えば、昨年、コロナ対策で1人一律10万円の特別定額給付金を支給しました。当初は所得制限を設けた上で「困窮世帯に30万円給付」という案でした。しかし、「国民が一致団結してコロナ禍を乗り越えないといけない時に、所得制限を設けることで国民感情を分断してはならない」と、党として判断しました。

 村山 テーマパークの運営でも、お客さまのニーズを理解することが重要です。この点は企業活動も政治も似ていますね。テーマパーク側が一方的に「これがしたい」と思っても、必ずしもお客さまには響きません。ニーズに合った対応がマーケティングの本質だと思います。

 国重 「30万円」案が閣議決定されると、党本部や私の事務所に反対意見が多く寄せられ、私は「政府案と国民感情との乖離がありすぎる」と思いました。公明党の山口那津男代表が当時の安倍晋三首相と直談判し「一律10万円」が実現しました。国民の声を基に政策を進めることの重要性を改めて肝に銘じました。

■触れ合う楽しさ伝えたい(村山)
■社会全体で子ども支える(国重)

 村山 コロナの感染拡大を受けて昨春に3カ月間休園した際、休園時でも子どもたちを楽しませたいと思い、若い社員から意見を募りました。「ダンスの動画をネット配信する」「ローラーコースターを映像で見せて、家にいながら乗車体験してもらう」といったアイデアが寄せられ、次々と実現しました。

 国重 子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かぶようです。私は弁護士時代から少年事件や児童虐待の問題に取り組んできました。政治家になった今も、子どもの人権に関わる問題に全力を挙げています。虐待などにより親元で暮らせない子どもたちを社会全体で支える社会的養護の充実にも取り組んでいます。

 村山 子ども食堂に食材が集まらなくなったと聞き、テーマパークのキャラクターを使ったかわいいお弁当を作り、子ども食堂に配りました。子どもたちが将来への夢や希望が持てるよう、力を注いでいきます。

 国重 少子化の時代だからこそ、子どもたちを社会全体で支えていくことが大事です。

 公明党は幼児教育・保育の無償化、私立高校授業料の実質無償化、返済不要の給付型奨学金の導入など、子ども・子育て支援策を全力で推進してきました。USJの地域貢献活動に感謝しています。

 村山 地域に愛され、敬意を持たれる企業でなければ長い間成長を続けることはできないと思っています。コロナ禍を機に「USJがどう成長するか」ではなく、「USJは大阪、関西と一緒に成長していかなければならない」とも考えるようになりました。将来的には、USJがある大阪のベイエリアを都市型のリゾートへ発展させたいと願っています。

 国重 此花区の夢洲で開かれる25年大阪・関西万博に向け、淀川上流から夢洲まで舟で行き来する「淀川舟運」の構想など、公明党はベイエリアの活性化を後押ししています。

 村山 コロナ禍を経験し、生のエンターテインメントや、ソーシャルディスタンスをとりながらでも、人と人とが触れ合う重要性を世界の人が再認識したと思います。オンラインだけでは得られないものが確実にあります。その楽しさをこれからも伝えていきます。

 国重 政治の世界でもコロナ禍でオンラインの活用が一気に増えました。「地殻変動」とも言える変化です。しかしオンラインでは伝え切れないこと、現場に足を運んで初めて感じる空気、におい、熱量といったものがあります。コロナ禍においても感染を徹底して防いだ上で、工夫し、知恵を出し、現場主義に徹して政治を前へ進めていく決意です。

 むらやま・たく 1971年、大阪府生まれ。米国サウスイーストミズーリ州立大学卒、ウェブスター大学卒(MBA取得)。2000年、株式会社ユー・エス・ジェイ入社。20年から合同会社ユー・エス・ジェイ執行役員副社長CMO(最高マーケティング責任者)。大阪観光局理事、大阪商工会議所議員も務める。