東日本大震災から9年。東北の被災地では、護岸整備や住宅再建が大詰めを迎え、一歩ずつ復興への歩みを進めている。今回、被災地の復興状況を視覚的に伝えるため、岩手、宮城、福島の被災3県の上空から、ドローンによる空撮を試みた。地上からは見ることができない「被災地の今」を伝える。
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>>>大地震に大津波、そして原子力災害。
あの日、東日本を襲った未曾有の大震災は、今も被災地に深い爪痕を残す。
9年もの歳月が過ぎても避難者数は4万7737人(2020年2月末現在)に上り、原子力災害に苦しむ福島では、避難指示が解除された地域での帰還が進まない。
復興・創生は、道半ばと言わざるを得ないだろう。
しかし、徐々にではあるが、“復興への歩み”が目に見え始めていることも事実だ。
岩手、宮城の2県では津波を被った沿岸部では住宅再建が進み、復興祈念公園の整備や防災林の植樹などが行われ、ふるさとの再生が大詰めを迎えている。
福島県では今年3月に双葉、大熊、富岡の3町の一部地域で避難指示が解除された。
JR常磐線も9年ぶりに全線で運行再開となる。道のりは険しいが、着実に未来へと歩みを進めている。
こうした復興の歩みをさらに加速させ、「人間の復興」「心の復興」へと闘い抜く。
亡き人々を偲びつつ、その決意を新たにしたい。
東日本大震災ではその大半を津波が襲い、750人以上が犠牲となりました。あの日から9年、人々に親しまれていた朝市が復活し、住宅再建も概ね完了。復興の次なるステージへ、歩み確かに進んでいます。
東京ドーム10個分の敷地内には、全11面のグラウンドやスタジアム、全天候型の練習場やホテルなどを有します。震災後は、東京電力福島第1原発事故の復旧対応のための拠点として、その使命を果たしました。
伊達政宗の時代から植林されていた海岸防災林は、大津波によってその75%以上を失い、被害面積は222ヘクタールにも広がりました。現在、町民らを中心に防災林の再生へ向けた植樹が進められています。
帰還困難区域での避難指示解除は双葉町(4日)に次いで2例目。対象地域は、大野駅周辺と県立大野病院や町役場がある地域などで、原子力災害からの再生、復興への加速に期待が高まっています。
その名は、「福島ロボットテストフィールド」。災害対応や自動運転、水中探査といった陸・海・空のフィールドロボットを対象にした研究開発、実証試験などを行う世界に類例のない一大研究開発拠点です。
県内最大の被災地である同市では、死者・行方不明者は1750人に上りました。“がれき”の山が広がっていた震災直後の光景は、9年の歳月が過ぎ、剥き出しにされた地肌となり、復旧車両が列をなして土煙を上げる景色に。復興への道のりの険しさが伺えます。
東日本大震災では最大震度6を観測し、その地震による大津波で住宅の約70%が全壊。さらに、町の庁舎や病院、警察署も被災し、防災対策庁舎では最後まで避難を呼び掛けた職員が犠牲となりました。
公明新聞
東日本大震災取材班
比義広太郎
倉科宗作
中根秀樹
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